不妊治療

妊婦加算凍結!そもそも妊婦加算とはどんな制度?いくらかかる?

妊婦加算凍結について

厚生労働省は12月19日の中央社会保険医療協議会(中医協)で、2018年4月より開始した「妊婦加算」を2019年1月から凍結することを決定しました。

なぜ「妊婦加算」が凍結することになったのか、そもそも妊婦加算とはなにか。
今回はこの問題について、私の意見や考えを交えながら説明していこうと思います。

妊婦加算とは

「妊婦加算」とは2018年4月の診療報酬改訂の際に新設されたもので、医療機関にかかった妊婦を対象に追加で算定できる制度のことです。

妊婦には丁寧、かつ慎重に診察します。
その分、点数加算して追加のお金をいただきますね~

 

妊婦加算新設の議論の背景

今回、妊婦加算が新設された背景には以下のようなことがあったそうです。

  • 通常よりも慎重な対応や胎児への配慮が必要であることから、診療に積極的でない医療機関が存在していた
  • 日本産婦人科医会・日本産科婦人科学会からの妊婦の外来診療に対する評価の新設の要望があった

これらの背景を踏まえ、妊婦に対する通常よりも丁寧な診療を評価する観点から「妊婦加算」を新設することとなりました。

 

妊婦加算創設後の状況

妊娠加算は2018年4月から始まりましたが、次第に

  • 患者に対して「妊婦加算」の内容を詳しく説明せず加算した
  • 妊婦でない患者と同様の診療(コンタクトレンズ処方など)を行う場合も妊婦加算を算定した

などの「妊婦加算」に対する疑問や問題点が出てきました。

 

妊婦加算についてSNSで話題に

9月、ある妊婦が皮膚科を受診した際にTwitterに以下の投稿をし、瞬く間に「妊婦加算は悪だ」とSNSや新聞、メディアで取り上げられるようになりました。

Twitterユーザー
Twitterユーザー
この前、皮膚科に行ったら、お会計呼ばれて、あれ、妊娠中ですか? なら、お会計変わりますとか言われて、会計高くなったのウケる。妊婦加算だとさ
あおい
あおい
確かに、妊婦加算の制度を知らずに受診して、会計で急に「妊婦なら会計変わります」って言わたら驚きますね…

 

妊婦加算について世間の反応は

突然始まった妊婦加算に対して、世間からは不満の意見が多く寄せられました。

妊婦加算なんて作ったら少子化がますます進みそう
妊婦だからって追加でお金払わせるなんて、妊婦いじめだよ

「妊婦検診では自治体から支給される助成券を使えるものの、それでも自己負担分が多く、これ以上医療費にお金をかけたくない」

妊婦に対しての助成制度はすでにあるが、それでは少ない
という声も多かったです。

厚生労働省はこの国民の意見を受け止め、今回新設した「妊婦加算」を2019年1月1日から凍結することと決定しました。

 

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妊婦加算いくらかかる?

そもそも「妊婦加算」が創設されたのは4月からですが、注目されたのは上記のツイートが発信された秋頃から。

それまで「妊婦加算なんて知らなかった」という人も多いかと思います。
(私も妊婦加算を知ったのは10月になってからでした)

 

そこで知りたいのが、

妊婦加算はいくら請求されるのか

ですよね。

あおい
あおい
分かりやすくまとめてみました

 

妊婦加算として追加される金額

私たちが普段、病院で診察してもらう際には
初診料282点、再診料72点が請求されます。

そして今回の「妊婦加算」では、妊娠中に診察を受ける場合に以下の点数が追加されます。

初診:75点(約230円)
再診:38点(約110円)

 

加算されるのは初診料、再診料だけではない

「妊婦加算」として追加されるのは、診療時間内にかかった場合の初診料、再診料だけではありません

診療時間以外の時間帯や、休日、深夜にかかった場合にも「妊婦加算」が追加されます。

初診再診
診療時間内75点(約230円)38点(約110円)
診療時間外115点(約350円)70点(210円)
休日受診115点(約350円)70点(210円)
深夜受診215点(約650円)170点(510円)
あおい
あおい
一番高い妊婦加算は深夜に受診した際の650円です。

 

妊婦加算の疑義解釈

  • 患者が「妊婦である」と確認するにはどうするのか
  • 請求後に患者が妊婦だと分かった場合、後日請求するのか

このような疑問に対して、厚生労働省は以下のように疑義解釈をしています。

問1 妊婦であることはどのように確認すればよいのか。妊娠反応検査の実施や 母子健康手帳の確認が必要であるか。
(答)妊婦加算は、医師が診察の上、妊婦であると判断した場合に算定可能で あり、必ずしも妊娠反応検査の実施や母子健康手帳の確認は必要ではない。

問2 診察時には妊婦であるかが不明であったが、後日妊娠していることが判明 した場合、遡って妊婦加算を算定することは可能か。
(答)診察の際に、医師が妊婦であると判断しなかった場合には、算定不可。

問3 妊婦加算は、妊婦が感冒等の妊娠に直接関連しない傷病について受診を行 った場合に算定可能か。
(答)初診料、再診料又は外来診療料を算定する診察を行った場合は、可能。

問4 当日の診察で妊娠が確認された場合であっても妊婦加算は算定可能か。
(答)初診料、再診料又は外来診療料を算定する診察を行った場合は、可能。

問5 妊婦加算の算定に当たっては、診療録や診療報酬明細書にはどのような記 載が必要か。
(答)当該患者が妊婦であると判断した旨の記載が必要である。

引用:厚生労働省「疑義解釈資料

 

加算される対象者は妊婦以外にも

今でこそ、この追加加算について注目されていますが、実は以前から6歳未満の乳幼児に対しても加算されています。

しかし、乳幼児加算に対しては、世間から厳しい声を聞きません。
それはなぜなのでしょうか?

乳幼児加算はなぜ問題にならない?

乳幼児加算はなぜ問題にならないのか

結論から言うと、

乳幼児の医療費は窓口での支払いがないから

乳幼児の医療費は、自治体の「乳幼児医療費助成制度」の適用で、医療費負担額0割(0円)、もしくは低額の医療費しか請求されません。

ですので、実際には乳幼児加算が発生しているものの、窓口での請求がないために経済的負担がなく、反論の声が出ないのです。

 

不妊治療中の私が妊婦加算に思うこと

私は「妊婦加算」賛成派です。

あおい
あおい
「妊婦加算」制度があることで、より慎重な診察を受けることが出来るのであれば、数百円の加算くらい良いかな…と。
自分(妊婦)と赤ちゃん2人分の命をみてくれるって考えたら、特別高いとは思いません。

そして何より、日本産婦人科医会と学会から妊婦の外来診療に対する評価新設の要望があったこと
人手不足の医療現場で日々診療している中で、きっと妊婦の患者には対応に時間がかかる特別注意を払う、などのいろいろな苦労があるのだと思います。

妊娠中は些細なことに不安になり、

あおい
あおい
妊娠中なんですけどこの薬大丈夫ですか?
赤ちゃんに催奇形性とか起こりませんか?

っていろいろ質問したくなりますよね。

それに対しての手間賃と考えれば、私は「妊婦加算」はアリだと考えています。

 

ただ、制度の内容をもっと周知すべき、コンタクトレンズ処方などは対象外になるものでは?

と、制度の一部内容、厚生労働省の動きに対して、不信感も少なからず抱いています。

 

今後、妊婦加算は凍結へ

厚生労働省は国民からの批判を受け、2019年1月から「妊婦加算制度」を凍結することを決めました。

そして、制度の見直しは次の診療報酬改定(2020年)に反映される見込みです。

 

「妊婦加算」が診療報酬制度から完全に廃止されるのか。
それとも「乳幼児医療費助成制度」のように、妊婦加算に対する助成制度を自治体が作るのか。

あおい
あおい
次回は、国民が理解しやすいように事前に制度の内容について、周知をしてくれることを願います。